歌劇せんべい

 阪急宝塚の駅を降りて大劇場へ向かう道のりのお土産屋さんに並ぶ派手なピンク色の缶........歌劇せんべいである。中味は炭酸せんべい(炭酸を膨張剤として使い、小麦粉に牛乳とバターを加えて焼き上げた薄い瓦せんべいのようなもの)である。姉妹品にクリームを挟んだやつもある。山口紅葉堂という会社が<歌劇と湯の街宝塚>にふさわしい名産品を!と七十数年前から販売しているらしい。(詳しくは山口紅葉堂のホームページがあるのでそちらを御覧ください。)これがけっこう美味しいのだが、人々の購買欲をくすぐるのが、これらの缶である。宝塚公認でスターの写真が印刷されている。スターが変われば缶のデザインも変わる。小さい30枚りの缶から数種類のサイズが販売されている。宝塚にこだわらない人の為に普通のデザインの缶入りもある。現在は東京宝塚劇場のロビーでも買えるらしいが、以前は兵庫県の宝塚でしか買えなかったので、大劇場に行くと必ず買っていた。宝塚ファンなら缶の一つや二つ、家にあるのではないか?それらは無造作にペン入れや何かに使われていることが多い。大好きなスターが載っている缶を大切にとっておいたのに、親が踏みつぶして捨ててしまった人の話しを聞いた事があります。興味ない人にはただのお菓子の空き缶も、宝塚ファンには大切な小物入れなのである。

 本来宝塚は温泉地である。だが来宝する人のほとんどは歌劇が目的で温泉が目当ての人は少ないと思う。街事態も再開発で開けてきて、もはや温泉街の雰囲気はあまりない。やがてファミリーランドも閉園すれば、ただの地方都市である。そんななかで唯一温泉街の観光地だったなごりを匂わすのがこの歌劇せんべいになるのかもしれない。

 お土産用、ご贈答用という感じの、大きいサイズの缶も売っている。こちらは特定のスターというより宝塚歌劇全体を象徴したようなデザインで、これも時期によってデザインが変わる。これは昭和50年頃購入したもの。写真は花組公演グランドショー「ボン・バランス」のフィナーレである。 

 缶は宝塚ファンには宝物になるが、興味がない人には捨てるのにかさばるものになる。中味が目的の人用という感じで、紙箱入りのも販売されています。これは昭和51年頃の箱である。写真は月組公演「長靴を履いた猫」のフィナーレ。余談だが、これは大滝子のサヨナラ公演だったが、辞めたスターがパッケージに載っているのはおかしいので、わざわざ大滝子を外して撮影されている。 

 昭和34年頃あたりから大劇場の脚本集に、この広告が見受けられるようになります。 

 昭和38年ごろから「歌劇」誌の片隅にいつもこの広告が載るようになります。  昭和50年2月号から、長い間登場していた左の少女のイラストが鹿のイラストになりました。

昭和51年4月号から、新発売の「恋四季」という商品との兼用の広告になります。  平成3年11月号からこの広告のデザインになり現在まで続いています。 

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