那須ロイヤル・ダンシングチーム

 以前宝塚のプログラムを見ていると「ロイヤルミュージカルスクール第○期生募集!」という広告をよく目にした。宝塚でいう音楽学校にあたるものである。栃木県の那須高原に那須ロイヤルホテルというリゾート観光ホテルがあって、そこに本格的なグランドレビューを上演するレストランシアターがあった。出演者は全員女性で、男役がいる。まさしく宝塚の縮小版であり、実際に宝塚のスタッフが出張して演出だとか振付だとかにかかわっていたようである。宝塚のプログラムに生徒募集の広告を載せていたのも、宝塚受験に落ちた人たちを当て込んでいた為であろう。

 自分は一度だけ那須ロイヤルダンシングチームの舞台を見たことがある。中学生の頃だと思うので、記憶が定かではないが、劇場はちょうどあやめ池遊園地にある円形大劇場とおなじ規模だったと思う。当時のパンフレットには600人収容と書いてある。レストランシアターだったので、一階はテーブル席だったと思う。舞台は宝塚と同じような銀橋があって、オーケストラボックスにはちゃんとオーケストラが生演奏をしていた。内容もしっかりしていて、宝塚とひけをとらないレベルだった。初公演は昭和44年4月らしい。

 一大レジャーランド「那須ロイヤルセンター」の全貌。レビューを上演していたレストランシアターは、写真に向かって左下の丸い建物です。右寄りの白と青の丸い建物は、「ファンタラマ」という大人形館もありました。これは宝塚ファミリーランドでいう「世界はひとつ」ディズニーランドでいう「イッツアスモールワールド」を真似たアトラクションでした。レビューに大人形館、まさにここは「なんちゃって宝塚ファミリーランド」でした。会社として色々問題があったようで、現在ネットで検索しても、ハッキリした情報がえられません。現在はこのダンシングチームは存在していないのだと思います。(どなたか詳しい情報を御存知の方は、ぜひお知らせください)いかんせん、こんな栃木の山奥に、本格的なレビューを上演していたという事実を、日本のレビュー史の中に残しておくべきだと思います。あいにく手元に資料がぜんぜんないのですが、何かわかり次第、こちらに更新していきたいと思います。

 1977年頃に、東宝レコードが那須ロイヤルダンシングチームのレコードを発売していたことが判明しました。EP盤なので収録時間は20分程度ですが、実況録音なので、当時の雰囲気がわかります。「ブラボーロイヤル」というショーで、構成・演出がなんと宝塚歌劇団の喜多弘先生!「ゴールデン・レインボー」というオリジナルの主題歌で始まり、「ショウほど素敵な商売はない」「トロリー・ソング」「セントルイス・ブルース」「見果てぬ夢」「イン・ザ・ムード」「ルンペンパーティ氈A(これはバイバイブラックバードの替歌)」最後に「ゴールデン・レインボー」の主題歌でフィナーレという内容。ジャケットを見ないで、このレコードを聞かされたら、宝塚としか思えなだろう。

(東宝レコード AT-6701)

 昭和48年9月の公演の写真が手に入ったので掲載いたします。(2005年7月13日)

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