SKD行進曲(マーチ)

 1960年代に松竹歌劇団は、主題歌やスターの挨拶が入っているソノシートをプログラムに付けて販売していたようです。SP盤の時代には、SKDも公演ごとに主題歌のレコードを発行していましたが、LP盤の時代になり、3大踊りが定着してきた1960年代には、宝塚のように実況録音盤や主題歌のレコードの発売は基本的になかったようです。それだけにこのプログラムのおまけに付けられたソノシートは、SKDの当時の雰囲気を知る数少ない資料なのです。

 そんな1966年の「東京踊り」のプログラムに付いていたソノシートを先日入手でき、聞いてみました。小月冴子のナレーションから始まり、その年の主題歌「さくら日本」「春の東京へ」そして最後に「SKDマーチ」というのが入っていた。この「SKDマーチ」というのが、どう聞いても「蒲田行進曲」そっくりのメロディなんです。いや、そっくりというより「蒲田行進曲」以外の何ものでもない。「さくら咲く国」は僕が見ていた頃の公演でもフィナーレなどに使われていたが、「SKDマーチ」は舞台で聞いた事がなかった。さっそくネットや資料で「蒲田行進曲」と「SKDマーチ」の関係について調べてみました。

 「蒲田行進曲」は同名の映画で知られていますが、元は戦前の流行歌で、堀内敬三という人が作詞をしているらしい。これがおおもとをたどると、原曲はミュージカル「Vagabond King」という作品の中の1曲だという事が判明した。じゃなんでSKDがさらにこのメロディーを引用したのだろうか?その謎は僕が持っている「松竹歌劇全集」という5枚組のLPボックスセットの中のライナーノートに答えがあった。評論家の橋本与志夫氏の文の一部を掲載させてもらいます。

「昭和四十一年の「東京踊り」誕生三十五回、国際劇場開場三十周年記念の「東京踊り」公演で初めて披露されたのが、この"SKD行進曲(マーチ)"で(中省略)ちょうど大船撮影所長だった福井祺和(ふくいよしたか)が、かつての古巣へ新団長として就任し、SKDをまた一段と盛り立てようとしていた頃で、あわよくば「さくら咲く国」に代わる団員やファンの愛唱歌に、との気持ちもあったかのように思えたが、グランドレビューのフィナーレのパレードに一、二度使われただけで、いつしか消え去ってしまった。」と書いてある。

 どうしても「蒲田行進曲」のイメージが強くて、とって付けたようにしか聞こえないし、個人的にも「さくら咲く国」のが好感がもてますね。みなさんもメロディーは御存知でしょうから、一度歌ってみてくださいな。

昭和41年「東京踊り」のプログラムに載っていた譜面。

SKD行進曲 作詞 山口国敏

虹の舞台 花の踊り わがS・K・D

ひろい世界の名物 わがS・K・D

若さに溢れてる 美しい娘たち

素晴らしい 花の園生 わがS・K・D

夢のレヴュウ 五色のライト わがS・K・D

甘いメロディ あこがれの花 わがS・K・D

あなたと私達 結ぶ心と心

永遠に高く 輝いてる わがS・K・D

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