宝塚のチケット

 これは昭和30〜40年代の東京宝塚劇場のチケットの半券です。古いプログラムを集めていると、たま〜に間に挟まってることがあるので、何枚かは持っていた。ある日なにげなく原宿の東郷神社の蚤の市へ行きました。いつもと同じ露店商がならんでいて、早足でザッと見て回わった。その中の一件に、無造作に宝塚の古いチケットが置いてあった。こんな沢山まとめて見たのは初めてである。こんなの一枚¥500円とか言われそう。「これいくらですか?」店のおばさん「500円!」ほらね、念のために「一枚?」おばさん「全部で!」僕の心の中で花火が上がった。買ってから数えてみたら32枚あった。昔のチケットはほんとにきれいである。公演ごとにデザインが違い、その時のトップスターの写真が入っていて、作品の雰囲気が伝わってきます。チケットぴあのように合理化された券が普通の今からすれば、すごく贅沢なチケットである。寿美花代、明石照子、那智わたる、内重のぼる、上月晃などが活躍したこの時代の物です。

 自分が宝塚を観るようになった昭和50年代には、もうすでに簡略化された、ほとんど文字だけのつまらないチケットになっていました。それが当たり前だと思っていた自分が、はじめて兵庫の宝塚大劇場へいった時、チケットにフィナーレの写真が印刷されていて、ちょっと感激したのを覚えています。作品ごとにちがうデサインだったわけではなく、たぶん一年おきぐらいに変わっていたのだろうと思いますが、それでも東京の無地のチケットよりはワクワクするものがあり、さすがは本拠地だと思ったものです。

 お客さんがスムーズに自分の席にたどりつけ、公演が終わればチケットの役目は終わる。でもヅカファンは使い終わったチケットをすぐ捨てる人は少ないのではないか?苦労して並んでとったチケットを手帳に挟んで、眺めては観に行く日を心待ちにしていた時があるはず。しばらくすると部屋のどこかへ紛れ込んで、忘れ去られて結局は捨てられるのだが...。でも昔のような綺麗なチケットだったら、ふと部屋から出てきた時、思いでも一緒によみがえってくるような気がする。

戻る
SEO [PR] おまとめローン 冷え性対策 坂本龍馬 動画掲示板 レンタルサーバー SEO