水中バレエ劇場

 自分が子供の頃連れていってもらった場所の一つに、よみうりランドの中にあった、この水中バレエ劇場がある。昭和39年10月5日にオープンした世界でも珍しいアクアティックバレエ劇場で、客席594席。水深11メートルもある巨大な水槽に4300トンの水がはられ、その中で訓練をされたパフォーマーにより毎回水をテーマにしたミュージカルを上演していましたが1997年12月1日、32年間の幕を閉じた。

 劇場の中に入ると柱の間にガラス張りの水槽が見える。「この柱が邪魔だな」と子供心に思った。緞帳のかわりにガラス前面の下から泡がブクブク出ていて、始まると、その泡が止まり、奥が見えるというしくみでした。話の内容などは覚えていないのだが、たぶん竜宮城とか人魚姫などのおとぎ話だったと思います。 録音された音楽やセリフに合わせて水中で舞う姿は、表面から見るシンクロにはない独特の魅力がありました。

 昔から変わらないのは、大きな貝殻のセットで、そこから人が出てきたりしました。それと出演者が芝居で長い時間潜っている時は、手に長いホースを持っていて、それで空気を吸うというのが特徴的であった。キャラクターによっては水中ボンベを付けている人もいた。

 この水中バレエの総合プロデューサーが日本ジャズダンス協会会長でもある近藤玲子先生です。構成、演出、振付もなされていました。水中バレエというだけあって、ちゃんとバレエのレッスンもしています。3〜6メートルの深さで演じるにはとても大変らしく、水中マスクをつけないので、水圧で目がほとんど見えないという。聴覚は息を止めている時だけ頭蓋骨に響いて聞こえるらしい。シンクロで鼻にはめるクリップは醜いので使用していませんでした。メークアップや衣装も水中でも美しく見えるように独自に開発していったようです。

 1997年12月1日の最後の公演の日の様子がワイドショーで取り上げられていました。近藤玲子先生が、立ち見まで出た観客に向かって「あんたたちがもっと前から来てたら、辞めないで済んだかもしれない!」と激怒していました。ちょっとお客さんに失礼だなあと思いましたが、常連さんは毎回この気さくな近藤先生のお話を楽しみに来ていた方もいたそうです。水中バレエを見る為だけに都内からよみうりランドまで行くのはちょっと遠かったし、子供向けの内容が多かったのも人の足が向かなかった原因ではないだろうか?ラスベガスでは「オー」という水中パフォーマンスが大人気だし、サルティンバンコのような幻想的な水中レビューをやってたら、さぞ素晴らしかったでしょう。

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